ミドリイシ
Acropora solitaryensis Veron & Wallace, 1984
高知県でよく見られる卓状のミドリイシ。普通種。熊手や手鉤のように湾曲した垂直枝が伸びる。これまで「エンタクミドリイシ」と呼ばれていたが、近年、水平枝が融合し、垂直枝が短いものが別種扱いとなり和名はそちらが使用することになった。本種は1970年代に出版された愛媛県のサンゴ図鑑にでていた「ミドリイシ」という名前で呼ばれるようになった。分類学的にいろいろな問題を含んでおり、いずれ変更されていくことになると思われる。
色彩は鮮やかな緑色、淡緑色、褐色などさまざまで、形態も環境に合わせて変化に富む。20 m以浅で見られ、10 mより浅いところでは高被度の群集になることもある。雌雄同体の放卵放精型で、高知県では7月~9月にかけて夜間に産卵する。
近年の温暖化で、伊豆などの沿岸域に分布が拡大しているとの報告があり、温帯域ではサンゴの北上を示す注目のサンゴのひとつです。