ハリセンボン
Diodon holocanthus Linnaeus, 1758
いわずとしれた有名な魚である。見た目もさることながら、名前も憶えやすく秀逸と思う。沿岸域であればごく普通にみられるが、幼魚はほとんどみられなかったり、成魚の大群が沖合で渦を巻くように大量発生したりと、実はその生態には分かっていないことも多い。ちなみに背鰭と尾鰭に黒斑をもつヤセハリセンボンという珍しい種もいるが、著者はまだみたことがない。なお、ハリセンボンの針の数は400本弱といったところであり、千本には全く届かない。毒はないとされるが、肝臓や卵巣については確かではないらしい。身には毒がなく、汁料理(沖縄地方でアバサー汁)や唐揚げでとても美味。(小枝)