ニホンベニクラゲ

ニホンベニクラゲ

Turritopsis sp.

  傘高5 mm前後の小さなクラゲ。北日本を中心に生息するベニクラゲとは異なり、口柄の中心部は紅色ではなく黄色を呈す。触手の付け根にみられる赤い点は眼点である。一般的にクラゲは死後、肉塊となりそのまま消え失せる運命にあるが、本種を含むベニクラゲ類は肉塊からストロン(根)が伸び、再びポリプへ変態することができる。このような生活史の逆転現象は「若返り」や「分化」と捉えられるが、詳細なメカニズムは不明である。本種は近年の分子系統解析により未記載種(新種)であることが示唆されているが、近縁種のチチュウカイベニクラゲTurritopsis dohrniiと形態的に酷似しているため、記載がなされていない状態にある。大月の海では普通にみられる。 (戸篠)

清水港(2019年4月28日採集個体)
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