カイロウドウケツ

カイロウドウケツ

Euplectella aspera Schulze, 1896

 体は円筒状で、二酸化ケイ素(ガラス質)でできた網目状の骨格をもつ。その外見の美しさからVenus’ Flower Basket(ビーナスの花かご)と呼ばれる。体長は5-20 cmほど。水深1000 mまでの深海底に生息する。名前の由来は中国最古の詩篇である詩経にある「偕老同穴」である。偕老同穴とは共に暮らして老い、死んだあとは同じ墓に葬られることを意味する。胃腔内にはドウケツエビと呼ばれるエビがすんでいる。彼らは幼生のときにカイロウドウケツの胃腔内に入り、成長成熟し、繁殖行動を行う。そして、そのまま雌雄が添い遂げるようにしてやがて死を迎える…という、何ともロマンチックな一生を送る。単にカイメンから出られないだけでは、と考えるのは野暮なのかもしれない。(戸篠)

高知県土佐清水沖(2021年11月15日撮影)(大月町柏島・亀井氏寄贈)
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