モノノケトンガリサカタザメ(四国未記録)

モノノケトンガリサカタザメ

Rhynchobatus mononoke Koeda, Itou, Yamada & Motomura, 2020

黒潮生物研究所が発見したサメと名が付くエイの未記載種。いおワールドかごしま水族館では20年以上前から飼育、展示されていたが、何十、何百万人の目を通しても新種であることに気づかれていなかった。このエイを腹側からみると、真っ白な体に三角形の吻端がおばけのようにみえる。このことから学名、和名ともに「もののけ」が付されることになった。余談として、サメのようなエイのような微妙な立ち位置が人間と山犬のあいだで揺れるとある姫君と重なったことはいうまでもない。種全体として個体数がかなり少ない可能性があり、保全を含めた本種に関するさらなる研究が必要である。鹿児島の薩摩半島西岸から長崎県にかけてのみ分布することが明らかになっているが、100年近く前に千葉県館山で採集された記録があるため、南太平洋沿岸域つまり四国にも分布している可能性がある。発見された方は是非とも一報いただけると幸いである。いつか生きた姿を海の中でみてみたい。(小枝)

KBF-I 1085(背面)
KBF-I 1085(側面)
KBF-I 1085(腹面)
いわワールドかごしま水族館の水槽内のモノノケトンガリサカタザメ
PAGE TOP