ヤナギウミエラ類似種

ヤナギウミエラ類似種

Virgularia sp. aff. gustaviana (Herklots, 1863)

群体は細長い羽根状。群体中心の軸部から派生する大きな半円状の葉状体をもつ。葉状体の外縁部には小さな房に配列する通常ポリプが50~200個並ぶ。本種は浅海域でSea pen fieldと呼ばれる高密度のウミエラ群生地を形成し、甲殻類や魚類を含む多様な生物に住処や隠れ家を提供し、群体の立体構造によって砂泥底近くの流れを変えて海底の状態を維持することができる。このように、砂泥環境において生態系エンジニア(生息域の環境を改変し、他の生物にも影響を与える生物種)としての役目を果たすことが知られている。一方で遺伝子解析によりヤナギウミエラとは異なる種であることが示されており、今後の分類学的研究が必要である。(櫛田)

大月町柏島、水深35m(2016年7月15日;喜瀬浩輝撮影)
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