ニセタカクキクメイシ

ニセタカクキクメイシ

Favites aff. valenciennesi  (Milne Edwards and Haime, 1849)

 群体の形は、やや盛り上がる程度で岩盤を覆うかドーム状になる。色は写真のような茶褐色のものが多いが、群体全体が同じ色のものだけでなく、写真のように差し色が入るものもある。私の中ではお洒落なサンゴ。
 サンゴ個体は生時で見ると、円形でキクメイシ属のサンゴに非常に似ているが、骨格にすると多角形になるサンゴ個体が多い。見分けるコツはサンゴ個体の周囲に溝ができる特徴をもつサンゴは、高知県では本種かタカクキクメイシ又はミダレカメノコキクメイシである。ミダレカメノコキクメイシはサンゴ個体が圧倒的に小さく、サンゴ個体の形が違うので簡単に分けられる。一方で、本種はもともとタカクキクメイシと思われていたため互いによく似ているが、サンゴ個体の大きさ(本種がやや小さい)やサンゴ個体の形(タカクキクメイシは生時でもサンゴ個体が多角形に見える)で見分けられる。その他の特徴として、骨格の断面やバンドルの放出様式の違いがある。(目﨑)

群体全体の様子 2017年12月22日竜串
ポリプは触手環外出芽が多い
骨格写真 サンゴ個体と個体間に溝ができる
骨格の断面。サンゴ個体間の溝は骨格内部まで続く。サンゴ個体が花だとすれば、それらが集まって花束をつくるようにして群体を形成している
バンドルのセット
バンドルの放出。1個の口から複数のバンドルを放出。タカクキクメイシは1個のバンドル

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