カギノテクラゲ
Gonionemus vertens A. Agassiz, 1862
傘径1~2 cmくらいの皿状の傘をもつ淡水クラゲ。触手の先端が鉤状に曲がっていることからこの名がある。日本沿岸に広く生息し、アマモ場などでよく見られる。海草や海藻にくっついて生活し、ワレカラやヨコエビなどの甲殻類や稚魚などを捕食する。刺胞毒はかなり強く、山形県では「バンデンムシ」と呼ばれ、海女やダイバーたちに恐れられている。とある刺傷経験者は刺された直後から脈拍が落ち、そのまま救急車で運ばれたということなので大変注意が必要である。近縁種のコモチカギノテクラゲと似ているが、平衡胞の数は16個以上になること、生殖巣が放射管のほぼ全体に沿ってひだ状に発達することから区別できる。(戸篠)