ルリモンガニ

ルリモンガニ

Xanthias maculatus Sakai 1961

 

 甲幅10 mm前後の小型のオウギガニの仲間。日本近海の固有種であると考えられており、相模湾、南紀古座沖、紀伊長島、土佐湾沖、小笠原、奄美大島から報告されている。体は全体に明るい橙色の地色を呈し、甲や鉗脚、歩脚の長節などには赤褐色の細い帯で縁取られた瑠璃色の斑紋を有する。甲は背面がやや膨らみ、甲域は浅い溝によって比較的明瞭に区別される。前側縁には先端の鈍い4歯を備え、中央の2歯は大きい。額は浅い溝によって幅の広い2葉に分かれる。鉗脚は腕節外縁に不規則な溝を有し、掌部外縁には縦方向に伸びる4本の溝を有する。

 これまでに15-172 mと比較的幅広い水深から記録されており、斑紋の数や大きさには個体差が生じることが示唆されている。

 画像の個体(調査標本)は2023年3月に高知県沖水深約100 m から得られた(標本番号KBL-CR_001; 雄1, 甲長 5.6 mm, 甲幅 8.8 mm)。※甲長(額の中央から甲の後縁中央を結ぶ正中線上の長さ)、甲幅(甲の最大幅)。(平林)

KBL-CR_001(背面)
KBL-CR_001(背面)
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