ミサキヒモムシ

ミサキヒモムシ

Notospermus geniculatus (Delle Chiaje, 1822)

 体長は30~60cmで、体幅は5~10mmほど。全体として黒紫色、紫褐色、暗褐色、暗緑色、淡緑色などをしており、白い輪状の斑紋が等間隔に入る。頭部の前縁と頭横溝のある頭部側面片縁部は無色。体は前腸部では厚みがあってほぼ円筒形だが、腸部では腹背に平たくなっている。頭部はへら状で途中に頭横溝があり、その後方で前腸部との間にわずかなくびれがあって区別できる。頭端中央部に吻道孔が開き、ややくぼむ。口は長い縦裂になっている。南方系の種で、黒潮に乗って分布し、日本では太平洋南岸から日本海では佐渡まで知られる。転石海岸で転石の下から発見されることが多い。世界的には地中海、黒海、アフリカ西岸と太平洋東岸のメキシコ、パナマからも知られる。2017年には全ゲノムが解読され、箒虫動物のホウキムシPhoronis australisと近縁であることが明らかにされた。(戸篠)

高知県大月町産(2021年11月22日)
頭部
尾部
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