ヘンゲクラゲ

Lampea pancerina (Chun, 1879)

　楕円形の体をもつクシクラゲ。体長は7 cmほどまで。体の形を大きく変えることから「変化」の名があるのだろう。水槽内で観察していると体を球状に丸めたり、口端部を容器の底にくっつけて煙突状に変形したりするような行動を示す。フウセンクラゲやウリフウセンクラゲとよく似ているが、触手の付け根にある触手鞘は体のほぼ中央にあり、そこから触手を横向きに伸長することや触手の側枝がまばらに並ぶ点で区別できる。櫛板列は体の半分から3分の２ほど。サルパやウミタルを捕食する。サルパに寄生生活するヤドリクシクラゲGastrodes parasiticumはのちの研究により本種の幼体であることが明らかにされた。（戸篠）