サムクラゲ(四国未記録種)

サムクラゲ

 Phacellophora camtschatica Brandt, 1835

 オホーツク海やカリフォルニア沿岸など寒流域に生息する鉢クラゲの仲間。鉢クラゲでは大型で傘の直径は60 cmに達する。まれに相模湾や駿河湾でも見つかることがある。白みがかった傘に中心部が黄色を呈すことから海外では目玉焼きクラゲFried egg jellyfishと呼ばれることもある。何とも美味しそうな別名があるが、刺されるとかなり痛いので食べるのはお勧めしない。
 クラゲ食で水族館ではミズクラゲを餌にして飼育されている。野外では幼魚やオタマボヤ、クラゲを捕食する一方、ロックフィッシュ(メバル属)に捕食されることが知られている。かつてはミズクラゲ科Ulmaridaeとされてきたが、生活史の各ステージの形態観察や分子系統解析により、サムクラゲ科Phacellophoridaeが新設され、ミズクラゲ科から独立した。(戸篠)

サムクラゲ(岩手県大船渡市)
サムクラゲ(傘頂面)
触手を伸ばしたサムクラゲ
触手を伸ばして漂うサムクラゲ
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