コモチカギノテクラゲモドキ(四国未記録種)

コモチカギノテクラゲモドキ

Scolionema sanshin Toshino, 2017

 小皿のような傘をもつ淡水クラゲ。傘径7 mmほど。「カギノテ」の名があるように触手の先端が鉤のように曲がっている。また、触手の先端近くに吸盤のような吸着器を備えている。この吸着器を海藻や海草にくっつけて、からだを休息させる。本種とコモチカギノテクラゲによく似ているが、放射管上にクラゲ芽を作らないこと、触手数が多いこと、生殖巣が鶏冠状をしていることから区別できる。沖縄本島に夏に出現する。今のところ刺傷被害は報告されていないが、カギノテクラゲの仲間はすべからく強烈な刺胞毒をもっているため、注意が必要である。種小名の「sanshin」は沖縄の楽器「三線」にちなんで名づけられた。コモチカギノテクラゲモドキの鉤のような触手が三線をつま弾く指先と似ている…と思います。(戸篠)

成熟クラゲ(側面)
成熟クラゲ(傘頂面)
クラゲの触手先端.屈曲部にある半透明な部分が吸着器.
稚クラゲ
ポリプ.単立性で出芽により無性的に増殖する.
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