ワタボウシクラゲ
Tiaricodon orientalis Yamamoto & Toshino, 2021
2021年に新種記載されたヒドロクラゲ。傘の直径は1 cmほどで、傘は丸く透明、口と胃をつなぐ口柄上に発達する生殖巣に赤いバンドがあるのが特徴。2018年から2020年にかけて、江の島で採集した31個体の標本をもとに詳細な形態観察とDNA分析を行い、分類学的に精査したところ、傘の大きさや形状、内傘にある角状突起、口柄支持柄(こうへいしじえ)、口柄長などの組み合わせ、塩基配列の違いにより新種であることがわかった。和名の「ワタボウシ」は、日本の婚礼時に使用される「綿帽子」に由来する。特徴である丸い傘や赤いバンドが、正面から見た綿帽子のように見えるが、電球にも似ているとの声もある。(戸篠)