ユウレイクラゲ

ユウレイクラゲ

Cyanea nozakii Kishinouye, 1891

 傘の直径は50 cm、触手の長さは10 mを超える大型の鉢クラゲ。本州太平洋岸や瀬戸内海、九州沿岸に生息する。瀬戸内海を航海中、海面を漂うユウレイクラゲの群れをみたことがあるが、あまりに大きく、神秘的であった。「幽霊」と称されるのは、大型でぼんやりと白く、畏敬の念を感じる故なのかもしれない。ユウレイクラゲにはイボダイなどの魚類が寄り付くことがあり、隠れ家として利用するほか、時折ついばんだりする。また、瀬戸内海では網にちぎったユウレイクラゲを結び付け、寄ってきたカワハギやウマズラハギを捕獲する伝統漁業「ハギ漁」がしられる。本種は宿毛湾周辺海域にもみられるが損傷した個体が多く、おそらく豊後水道や瀬戸内海から流れてきた個体も含まれると思われる。(戸篠)

高知県宿毛市沖の島(2020年7月17日撮影)
山口県周防大島町産(2016年4月撮影)
稚クラゲ(山口県周防大島町産)
漂着したユウレイクラゲ(高知県大月町)

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