ヤスリサンゴ
Coscinaraea columna (Dana, 1846)
群体の形は被覆状や葉状が多いが、塊状になることもある。サンゴ礁域ではあまり目立たないサンゴだが、高知県や愛媛県などの温帯域では直径1 mを超える大型の群体に成長することもある。色は黄淡色や暗緑色で、サンゴ個体は小さく、連続して蛇行しながら谷をつくるように配列する。
ノマヤスリサンゴに似るが、サンゴ個体の大きさが本種は小さいことで両種を見分けることができる。
産卵は未だに謎で、夏季に個体が海水を含んで膨れ上がる様子は何度も確認しているが、精子や卵が放出されている様子は記録できていない。目立たないが、どこにでもいるサンゴで、温帯域のサンゴの多様性を支えている(目﨑)