ヘラヤガラ
Aulostomus chinensis (Linnaeus, 1766)
長細い体に、長い吻部をもった不思議な形の魚。鰭はオマケ程度についていて、背部に離れて並ぶ1/4円型の背鰭は水中でも開いている姿をみたことがない。これほど特徴的な姿形であるのにも関わらず、尾鰭の上部に黒色斑があったり、下顎先端付近に短いひげがあったりと、キャラクターを立たせることにとにかく余念がない。ヤガラの仲間であるアオヤガラは体をS字に伸ばした状態から一気に伸ばして獲物に突進するが、本種は体を曲げることができず、泳ぎもゆったりしている。科が異なるだけあって、良くみると全く異なる魚である。他の魚やロープなどに寄り添うようにしながら泳ぎ、獲物に近づくと吸い込むように捕食する。色彩変異に富み、全身が黄色い個体もしばしばみられる。(小枝)
黄化個体の写真を追加しました:2020年10月29日(小枝)