ブダイ
Calotomus japonicus (Valenciennes, 1840)
南日本で最も普通にみられるブダイの仲間である。全身が濃い緑色で頭部と尾鰭が鮮やかなオレンジを呈するものがオス、全身が茶色なものがメスである。多くのブダイ科魚類は歯が癒合して鳥のくちばしのようになっているが、ブダイとタイワンブダイ、チビブダイだけは細かい歯がギュッと集まったおどろおどろしい顔つきをしている。とはいえ夜間、とりわけ新月のときは岩のそばでグッスリと眠っており、触ったりしてもよほど起きることはないカワイイやつ。鹿児島では「モハメ」と呼ばれるが、四国南西部では「エガミ」や「イガミ」と呼ぶ。宮崎や関西などでは「エガメ」や「イガメ」と呼ぶそうなので、なんとなく地方名の移り変わりが感じられる。(小枝)