ドロクイ
Nematalosa japonica Regan, 1917
コノシロに似るニシンの仲間、ざっくりいうとイワシである。背鰭最後軟条は硬く、後方にむかって長く伸びて格好いい。内湾の砂泥域に棲む。沖縄にはリュウキュウドロクイという本種をゴツくした姿の種もおり、両種ともに「あしちん」と呼ばれる水産重要種である。本来は同島内での分布域に棲み分けがみられたが、近年の沿岸埋め立ての影響により分布が重複するようになっている。その副次的な弊害として、両種の雑種が増えつつあることが報告されており、両種の個体群は深刻な状況にあるという。名前のイメージとは裏腹に非常に美味な魚で、とりわけ刺身によくあう。南日本では稀。(小枝)