デイゴハナガサクラゲ
Olindias deigo Toshino, Tanimoto and Minemizu, 2019
伝統芸能や祭りで用いられる花笠に例えられるような美しいクラゲ。デイゴは春から夏にかけて咲く真っ赤な花で、沖縄の県花として親しまれている。本種はデイゴが咲く季節に現れること、そしてデイゴのように親しみを持ってもらえることを願い、デイゴハナガサクラゲと名付けられた。傘の直径は6~8cmで、ヒドロ虫としては大型である。傘はドーム状で透明、傘の表面と傘縁にある触手は先端から紫、蛍光緑、薄い黒色で染め分けられていて、数あるクラゲの中でも群を抜いて派手である。昼間は海底でじっとしていることが多いが、夜になると水面近くまで移動し、摂餌や産卵を行うなど活動的になる。デイゴハナガサクラゲは日本および韓国沿岸に生息するハナガサクラゲによく似ているが、傘の表面にある外傘触手の数がハナガサクラゲと比べて3分の2~半分と少ない点で判別できる。 (戸篠)