スギノキミドリイシ

スギノキミドリイシ

Acropora muricata (Linnaeus, 1758)

 スギノキミドリイシは高知県の波当たりの弱い環境で広くみられるが、エダミドリイシと比べると低水温に弱く、四国では寒波で時々大量斃死が確認される。群体の形は枝状で、大型になると枝の基部は斃死することが多い。形状は地域や環境などによって変化に富み、先端で数多く枝が分かれるものや、枝が細いもの、ほとんど枝分かれがないものなどあり、慣れないうちは複数種あるように見える。内湾や港の中など適した環境では大規模な群集をつくるが、サンゴ食巻貝による食害を受けやすい。本種は沖縄などサンゴ礁域の波の穏やかな礁池(しょうち)で普通にみられるが、四国や和歌山など高緯度でみられるものと同種かはまだ決着していない。研究結果によっては別種となる可能性がある。私が学生の頃はAcropora formosaと呼ばれていた。研究所の前の海ではもっとも優占するサンゴで、6月から7月の夜間に産卵する雌雄同体の放卵放精型のサンゴ。(目﨑)

スギノキミドリイシの群集。内湾的な環境で大規模になる(高知県大月町西泊)
スギノキミドリイシ(高知県奈半利町)
 
枝の様子
 
スギノキミドリイシはエダミドリイシよりは枝が太く、トゲスギミドリイシほど枝が太くならない。
骨格写真
 
 
骨格写真。放射サンゴ個体は管状になることが多い
 
放射サンゴ個体の様子
 
中軸サンゴ個体
 
産卵時刻は21時から22時頃にかけて。時々22時半を過ぎる

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