コモチウチコブヨツデクラゲ

コモチウチコブヨツデクラゲ

Euphysilla pyramidata Kramp, 1955

 長い名前のクラゲで漢字で書くと「子持ち内瘤四つ手水母」。口柄にクラゲ芽を複数、出芽する。傘縁から伸びる4本の触手はこん棒状であるが、複数みられる楕円形の刺胞瘤は触手の内側にのみ配置する。生時、触手は傘の上方に向けて水中を漂っていることが多いが、写真の個体は触手を下に向けている。東南アジアや紅海、カリブ海などで報告があるが、国内では与那国島近海から報告があるのみである。傘の大きさは5 mmほどと非常に小さなクラゲであるが、独特な形態と色彩豊かなことから目を惹く存在である。最近までカタアシクラゲモドキ科Euphysidaeとされてきたが、2021年に分子系統解析がなされ、カイメンウミヒドラ科Sphaerocorynidaeに移された。ポリプはカイメン状から見つかっており、まち針状の有頭触手を複数備える。(戸篠)

沖縄県糸満市沖(2022年4月24日撮影)
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