オトヒメクラゲ
Octorhopalona saltatrix Toshino, Yamamoto & Saito, 2022
2022年に記載されたばかりの新属新種のクラゲ。ウラシマクラゲ科の中では最小種で傘高は1 cmほど。新属名のOctorhopalonaは「8本のこん棒」、saltatrixは女性の踊り手を意味する。Octorhopalona saltatrix で8本のこん棒をもった踊り子という何とも物騒な名前だが、実物のオトヒメクラゲは実に可憐で美しいクラゲである。
ウラシマクラゲ科のウラシマクラゲやワタボウシクラゲは放射管を4本、触手を4本持つのに対し、オトヒメクラゲは放射管を8本、触手を8本もつことから容易に区別できる。オトヒメクラゲの外傘表面には刺胞が密集した筋状の刺胞列が走る。内傘には角状突起と呼ばれる三角形の突起がみられる。
これまでに茨城県大洗町、神奈川県藤沢市、高知県土佐清水市の沿岸で見つかっている。出現時期は年中であるが、春と秋に良く捕れる。(戸篠)