オオツキトウマキクリムシ

オオツキトウマキクリムシ

Annulobalcis vinarius Dgebuadze, Fedosov & Kantor, 2012

 殻長1 ㎝ほどの寄生貝。ウミシダの仲間の腕に外部寄生する。殻は極めて薄く、透明で、光沢のある細長い円錐形をしている。近縁種のオオウミシダトウマキクリムシ A. yamamotoi Habe, 1974 とは、殻表の彫刻や軟体部の色彩が異なる。殻表の彫刻は、オオウミシダトウマキクリムシが殻表全面に細い螺溝が密にあるのに対し、本種は殻表が平滑で螺溝が弱く目立たない。軟体部の色彩は、オオウミシダトウマキクリムシは全体的に暗紫色を帯び、螺層と体層には黄色の縦縞が表れ、殻底部には黄色の横縞が表れるのに対して、本種は全体的に暗赤色を帯び、白い小斑点が縦軸方向に規則的に並び、体層では斑点は不規則に散在している。新称和名の「オオツキ」は、採集地の高知県幡多郡大月町に由来する。(寺本・照屋)

オオツキトウマキクリムシの標本写真
(寺本撮影)
ウミシダの仲間に外部寄生する様子。水深28.1m(大月町柏島;2020年10月5日;寺本撮影)
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