ムロアジ

Decapterus muroadsi (Temminck & Schlegel, 1844)

細長い体をしたアジの仲間で、体の背側は黄緑色、体の中央に黄色縦帯がはしる。尾鰭の上葉は黄色く、下半分は赤色といったように、この仲間としてはかなりカラフルな色合いをしている。江戸時代に長崎の出島に滞在したシーボルトが持ち帰った標本に基づき記載された種で、種小名は和名に因み「muroadsi」。muroajiじゃないところがカッコいい。美味な魚だが、ややマイナーで高い値はつかない。伊豆地方ではクサヤモロと並び、くさやの原料となる。大月では「セイメイ」と呼ばれて、干物などでも食される。（小枝）