ムラサキクラゲムシ

ムラサキクラゲムシ

Coeloplana bannwarthi Krumbach, 1933

 ガンガゼやトックリガンガゼモドキの棘上で生活するクラゲムシ。体は扁平でガンガゼ類の棘に巻き付くようにして付着する。体色もガンガゼと同じ紫色や赤紫色、暗紫色を呈す。触手鞘はフラスコ状。Oral lappetは口周囲に形成される。背面突起を欠く。本種はこれまでスエズ湾やアカバ湾、紅海、シンガポール、フィジーで報告されている。日本ではこれまで記録がなかったが、四国西南部沿岸より本種が発見され、ムラサキクラゲムシと名付けられた。八丈島や串本からもガンガゼに共生するクラゲムシ属の一種が報告されているが、詳細な種同定はなされておらず、分類学的精査が必要である。夜間は触手を伸ばし、多毛類や甲殻類の幼生を捕食する。(戸篠)

ムラサキクラゲムシ(高知県大月町産)黒背景
ムラサキクラゲムシ(高知県大月町産) 白背景
ガンガゼに共生するムラサキクラゲムシ. A: 全体, B: 拡大.
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