シャットネラ マリーナ バラエティー アンティーカ

オオチャヒゲムシ

Chattonella marina var. antiqua (Hada) Demura & Kawachi

 単細胞遊泳性種。やや扁平で長倒卵形をしており、後端は長く尖る。葉緑体は黄褐色、多数ある。細胞先端やや後方から2本の鞭毛が伸び、ゆっくりと回転しながら泳ぐ。
 西日本の沿岸域では広くみられ、 夏から初秋にかけて 鹿児島湾や有明海、八代海、瀬戸内海などで毎年のように大規模な赤潮を形成する。赤潮となる細胞数の目安は 500 cells / 1 ml 以上と言われているが、40 cells / 1 mL 程度でも魚類が斃死したことがある。養殖魚(ブリ、カンパチ、トラフグなど)や甲殻類(クルマエビ、シバエビ、ガザミなど)への被害が確認されている。一度の赤潮で1 億円を超える被害が出ることもある。
 シスト形成種。秋を過ぎて、水温が10 ℃以下になるとシストを形成し、海底に沈降する。水温が20 ℃を超える夏になると発芽し、遊泳細胞となる。

採集地:船越(愛媛県);採集日:2022年8月8日;撮影者:日野出賢二郎
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