キンメモドキ
Parapriacanthus ransonneti Steindachner, 1870
体高の低いハタンポの仲間であるキンメモドキは、学名・和名ともに「偽物のキンメダイ」を意味する。たしかにハタンポの仲間は一見するとキンメダイによく似ているが、全く異なるグループである。キンメモドキは浅場で大きく、密な群をつくる。テンジクダイ科のスカシテンジクダイと一緒に群れをつくることもあり、それらが作り出す美しい景観は水中写真の題材として人気が高い。キンメモドキは胸部から腹部が淡く光る発行生物であるが、最新の研究でこの発光メカニズムが解明された。これによるとキンメモドキは自身にはルシフェリン・ルシフェラーゼ反応による発光機構や発光バクテリアとの共生関係をもたず、餌であるウミホタルのもつ発光酵素を選択的に細胞内に取り込むことで発光しているという。簡単に言うと、餌生物であるウミホタルから「光る能力を盗んでいる」のである!実は凄いゾッ、キンメモドキ!(小枝)