こんにちは、としのです。
立て続けになりますが、高知県大月町の海から日本初記録となるクシクラゲの仲間を発見しました。
それがこちらです!
えっ、どれがクシクラゲなの?という感じですが、ちゃんとここに写っています。左の方のガンガゼの棘を拡大すると・・・
棘の上に赤紫色のものが付着しているのが見えると思います。5匹くらい付いているのですが、分かるでしょうか?
これが今回発見されたクシクラゲの仲間です。 その名もCoeloplana bannwarthi(コエロプラナ・バンワーシー)。
体色が紫や赤紫、深紫色をしているので、ムラサキクラゲムシと命名しました。
本種を含むクラゲムシ科はクシクラゲの中でも櫛板を退化させ、底生生活に移行したグループです。
クラゲムシ科は温帯や亜熱帯、熱帯に生息し、世界で約30種がしられています。その多くが動植物の体表上で生活しています。宿主はイシサンゴやソフトコーラル、ナマコ、海藻など様々です。
C. bannwarthiはガンガゼ類の棘上で付着生活を送るクラゲムシです。ガンガゼに近い体色を持っていて宿主に同化するとともに、ガンガゼの棘で守られているため、クラゲムシにとって実に利益のある共生生活を送っているといえます。
試しにムラサキクラゲムシをガンガゼの棘から外してシャーレに移してみると・・・
からだは扁平で、アメーバのように体を自在に変形することができます。
動きは非常に緩慢で、少しずつですが匍匐移動します。 一見するとヒラムシによく似ていますが、ヒラムシはさっと移動するので、区別がつくと思います。
日本近海には、まだまだ未発見のクラゲムシがたくさんいると思われます。彼らとしては見つからないよう身を隠しているのですが、一つ一つ暴いていきたいとおもいます。
Web図鑑にもムラサキクラゲムシを掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。としの
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